2005年3月24日の朝日新聞(朝刊/東京版)にDO+ projectが取り上げられました。表参道に関する連載モノ「表参道物語第2部・同潤会青山アパート」です。

 『それまでの連載は、アパートの住人たちの思い出話を中心に描かれてきましたが、前日の安藤忠雄氏の回から「都市の景観を残すことの難しさ」と向き合い、いろいろなことを考えた人々にスポットをあてていく』のだそうです。朝日新聞の小林さま、郭さま大変お世話になりました。ありがとうございました。
以下、2005年3月24日 朝日新聞朝刊 30面より引用

 表参道物語

 第二部 同潤会青山アパート

 -発信世代-

 「なくなっちゃうって、ほんとうですか?」
 02年3月。解体が決まったアパートの出窓にそんな看板がかかった。
 日大大学院で建築を学んでいた大西正紀さん(27)と建築関係のライター田中元子さん(29)が、アパートの写真展を開いた。
 きっかけは99年冬。ニュースで再開発の話を知ったアパートの「ファン」や建築愛好家たち30〜40人が、インターネットの掲示板に集まった。「どうにかアパートを残せないだろうか。」
 00年春、グループ「DO+」を付くって勉強会を開き元住民に話を聞いた。アパート内を見せてもらい、水道やガスなどライフラインの老朽化を目の当たりにした。後戻りできない時期だった。
 「『保存』を訴えるのはエゴだ」と去っていくメンバーもいた。最後に2人だけが残った。

 あるシンポジウムに出席し、「建物を残せないなら敗北なの?」と指摘され、はっと気づいた。
 「残す、残さないという2項対立ではないやりかたが、あるはずだ。」
 だが世間の建築家も地元の人も、多くは再開発に過敏になり、押し黙っているように見えた。アパートで開いた展示会では、自分たちで撮りためた写真やアパートのありったけの資料を展示し、映像を流した。
 「保存」ではなく、アパートの情報を共有したかった。6日間で約600人が訪れ、様々なメッセージが寄せられた。昔、ここで遊んだというおじいさんも来た。「なくらならいで」という人には「なぜ残らないか」の背景を話した。
 03年春から、2人で渡英。大西さんは1年間ロンドンの設計事務所で働いた。
 英国では古いものを残して生かす法律やシステムが整っていた。「壊しては新たに建てる日本とは、文化や社会のあり方が違う。」と感じた。

 帰国後、2人で都内にオフィスを作り、住宅設計や旅館再生のプロジェクトにかかわった。母校の助手も務める大西さんは「住空間や景観について若者が考える場を作りたい」と話す。
 結果的にアパートを「残せなかった」痛みは感じている。「でも、同じことが別の街で起きた時、あの活動が何かのヒントになれば」と2人は思っている。

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From: Hiroya Date: 2005/03/28 11:00 AM
新しい風景を作るしか今のところできることはないなと思ってます。
From: ま Date: 2005/03/25 12:13 AM
良い文章です。感慨深いです。
あっちの打合せ、もうちょいお待ちください。
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