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 「世界の終わりのものがたり」を見てきた。今週中にもう一度、見に行こうと思っている。素晴らしい展覧会だった。未来科学館での開催というところが、また。

 副題は「もはや逃れられない73の問い」こう聞くと、地球温暖化とか?環境問題的な?って連想しがちだけど、全然!全っ然、違うから!

会場入り口にある、毛利館長の開催挨拶からして、いいんだ。(くそ、書き写してくればよかったな)未曾有の災害でさまざまな終わりを目の当たりにした日本で、科学のちからで、何ができるだろうか、何を問えるだろうか。そんな素朴で、災害がなくたって普遍的で、人類にとって「終わり」のないテーマに、真摯に向き合う。そう誓っていた。

 セクションは4つに分かれていて「予期せぬ終わり」(病気や災害など)、「わたしの終わり」(情報や関係性など)、「文化の終わり」(持続可能とはどこからどこまでか)、「ものがたりの終わり」(そもそも「終わり」とは何か)についての、さまざまな問いかけと、さまざまなデータが展示されている。

 わたしたちが日々、なんとなく考えている心配や不安、それは「何かが終わる」ことへの恐怖ではないか。その「なんとなく」を、できるだけハッキリさせてみよう、という試みだ。

 そこに模範解答はない。ただ、個人個人それぞれがハッキリさせるための手助けが置かれている。そんな、科学のくせに、やけに哲学的な展覧会。

 逆説的な言い方だが、それこそが、科学への態度そのものを示していた。科学や事実とは、なにも、個人の思想を決めつける絶対的存在じゃないんだ。ただ、助けてくれる。わたしの「なんとなく」をハッキリさせられる存在は、わたししかいない。

 死や別れ、消滅。いろんなかたちの「終わり」を次々と見せつけられる、そしてそれらへの態度を問われ続ける。うーんとブルーになってもおかしくない展覧会だけど、感傷的にならず、思考停止にも陥らず、淡々と巡っていける。そこが!素晴らし過ぎる!!

 デザインの力も大きい。ポスターなどのデザインやイラストも洗練されているし、会場の中もヘンな強さや大きさ、インパクトを与えず観覧者と等身大のまま進行していく。さまざまなデザインの気配りがなければ、こんなテーマ、あっという間に疲れてゲンナリしてしまうはずだ。

 カタログも巡回展もないことが、本当に惜しまれる。あらやだ、私いま、本展の「終わり」が怖いのかしら!

 まだの方は、ぜひぜひ、ぜひ!行ってみて!!科学にも哲学にも、ほとんど興味なくたって全然大丈夫。生を全うしようとする、すべての人類に。

 本展「世界の終わりのものがたり」は日本科学未来館にて、6月11日(月)まで。火曜休館。

http://www.miraikan.jp/sekainoowari/

たなかもとこ

JUGEMテーマ:アート・デザイン
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